飛べないひなどりの振りをして
君が運ぶ不快感を呑み込む。
それは炭のように苦く、泪を甘くした。
君はけして出て行けとは言わない。
俺が再び口を開くのを待っている。
いつか全てに飽きて、離れて行くその日まで。
玉虫色の心臓を見せても
斑模様の肺を見せても
君は信じない。
ひなどりが君の為に産まれた事を。
君は信じない。
ひなどりは君の所為で生まれたんだと。
いつか全てを諦めて、離れて行くその日まで
真っ赤な喉の奥を震わせて待っている。
炭のように苦い君の不安を。
玉虫色の心臓を抱いて
斑模様の肺を抱えて
甘い泪が伝う窓辺から俺はまだ動けない。
君が諦めるその日まで、俺は
羽根よりも軽い約束を守るのだろう。
飛べないひなどりの振りをして。