#MKA02 シナリオ

寒気がするほど優しい手招きに呼ばれたんだ。

冷え切った両足を引きずって

泣きそうになりながら

どうしても抗えなかったんだ、どうしても。

 

近づくほどに、まるで空気が抜けるように

虚しくて、億劫で、もう

その手が抱いてくれないなら

俺は一体、何の為に。

 

だから嫌だったんだ。

大嫌いだって思う事で自分の形を保っていたんだ。

大嫌いだって思う自分を支えにして。

憎んで欲しかったんだ。

それがこんなにも罪深いとは知らずに。

 

最初から全て分かっていたんだ。

もう引き返せない事も

もう引き返す積りも無かった事も。

 

君の憎悪に潰されるまで

シナリオは変わらない。

変わったのは自分だった。

俺は君の事をあまりにも知らな過ぎたんだ。